焼却溶融システム/焼却溶融システム
分類 |
汚泥処理設備 > 焼却・溶融 [この分類の技術一覧]
汚泥処理設備 > 資源有効利用 [この分類の技術一覧]
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名称 |
焼却溶融システム |
商品 |
焼却溶融システム |
会社名 |
株式会社 神鋼環境ソリューション[会社概要][技術情報一覧] |
お問い合わせ先 |
水環境事業部 水環境営業部
TEL:03-5931-3714 FAX:03-5931-5706 |
概要
当社の下水汚泥焼却溶融システムは製鉄プロセスの微粉炭燃焼技術をベースに開発したもので、焼却灰を高温で溶融しスラグ化するものです。
下水汚泥はコニカルサイロ(定量フィーダ)から焼却炉へ定量的に供給され、850℃以上の高温で完全燃焼されます。燃焼により発生した焼却灰は排ガスと共に炉外へ排出され、サイクロン・バグフィルタで捕集された後、溶融炉へ送られます。
当社の溶融炉は円筒竪型旋回流式を採用しており、焼却灰は燃焼空気と共に強い旋回を与えられて1400℃以上の高温に維持された溶融炉内に吹き込まれ、瞬時に加熱・溶融し、遠心力によって炉壁に衝突し、炉壁を融液となって流下・排出されスラグとなります。この溶融スラグ化により減容化がはかれると共に、下水汚泥中に含まれる重金属類も固定化されます。また得られたスラグは路盤材や建築骨材として有効利用が可能です。
特徴
下水汚泥の溶融方式には大別して乾燥+溶融(直接溶融)と焼却+溶融(灰溶融)があり、また溶融炉には旋回流溶融・表面溶融・コークスベッド等の方式があります。
当社は、運転の安定性、トータルの経済性に優れた焼却+旋回流溶融方式を採用しております。本システムには以下のような特徴があります。
1)下水汚泥性状の変動を焼却炉で吸収できるため、焼却灰性状は一定化され安定した溶融処理が可能です。
2)高スラグ化率が確保でき、良質のスラグが得られます。
3)溶融炉停止時にも焼却炉のみの運転が可能で、下水汚泥の処理が継続できます。
4)溶融炉がコンパクトとなり、耐火物補修が容易です。
適用
1)規 模 脱水ケーキ10~300t/日
2)対象物 高分子系脱水ケーキ、石灰系脱水ケーキ
実績
1990年3月 滋賀県湖南中部浄化センターに納入(40t/日)
1996年9月 滋賀県湖南中部浄化センターに納入(120t/日)
※湖南中部浄化センターでは、現在年間4500t程度のスラグが発生しており、その全量が有効利用(主に路盤材、骨材等)されています。
原理と構造
当社では旋回流式の溶融炉を採用しています。
旋回流溶融炉は円筒竪型をしており、上部より①旋回溶融部、②スラグ分離部及び③スラグ抜出部から構成されています。
被溶融物(焼却灰)は一次溶融空気と共に溶融用の④メインバーナの設置された炉頂部から旋回流を与えられながら投入され、旋回溶融部にて溶融し、溶融スラグとなります。
炉内フローパターンを最適化するための二次溶融空気は、旋回溶融部側壁の上部より吹き込まれます。
溶流したスラグは、スラグ分離部を経て、スラグ抜出部より外部へ流出します。
溶融排ガスはスラグ分離部の下部から抜き出されます。
溶融排ガス抜出口近辺にはスラグ抜出部の高温維持のための⑤補助バーナが設置され、溶融スラグの固化を防ぎます。
炉体は全面水冷構造とし、その内面に耐火物を施工しています。
旋回溶融部側壁の耐火物には⑥FMセンサが埋め込まれ、耐火物の温度や損耗量を監視します。
スラグ抜出部には、スラグの出滓状況を監視するためのITVが設置され、その画像は画像処理され、溶融炉の運転制御に用いられます。
特徴
1)高スラグ化率が得られます。
溶融空気を2段吹込方式とすることにより最適な炉内フローパターンを形成します。それにより被溶融物のショートパスを防ぎ、高スラグ化率を得ます。
2)水冷壁構造により、耐火物を延命化します。
高耐食性耐火物を内面に施工した水冷壁構造とすることにより、耐火物表面にスラグ層を形成させ、耐火物を延命化します。
3)耐火物の損耗量を自動監視します。
炉壁耐火物に埋め込んだFMセンサにより、耐火物の損耗量の監視や炉内温度の予測を行います。
4)画像処理制御により安定運転が可能です。
ITVによりスラグの抜出状況を監視し、その画像処理により補助燃料の投入量等の制御を行い、安定溶融を継続させます。
5)多様なスラグの製造が可能です。
スラグ抜出装置の運転切り換えにより、溶融スラグの冷却速度を調整し、水冷、空冷、徐冷の各スラグを製造することができます。
図1.旋回溶融炉の構造
図2.溶融スラグの出滓状況
焼却溶融システムフロー
下水汚泥溶融処理システムには、一般的に焼却+灰溶融方式と直接溶融方式があります。
当社では、良質のスラグが得られ、安定操業と経済性の面で優れた焼却+灰溶融方式を採用しています。
焼却+灰溶融方式の代表的なフローを図1に示します。図1のフローでは焼却排ガスと溶融排ガスを共用の排ガス処理設備にて処理します。この方式を溶融一括方式といいます。
また、当社では焼却及び溶融排ガスの処理系を別々とした図2のようなシステムも採用しています。この方式を溶融分離方式といいます。
以下にそれぞれの方式について、特徴を示します。
1)溶融一括方式
焼却排ガス及び溶融排ガスの処理を共通の排ガス処理設備にて行う方式です。
本方式では焼却炉+溶融炉あるいは焼却炉のみの運転が可能であり、溶融炉の耐火物補修時には焼却処理のみの運転が可能です。
2)溶融分離方式
焼却排ガスと溶融排ガスの処理をそれぞれ独立させた方式です。
この方式では焼却炉+溶融炉、あるいは焼却炉のみの運転に加えて、溶融炉のみの運転も可能です。以下のような場合に溶融分離方式を採用します。
①既設焼却設備に灰溶融設備を増設する場合。
②将来的に灰溶融設備の設置を計画しているが、当面は焼却のみを行う場合
図1.湖南汚泥焼却溶融設備フロー
焼却溶融システム/焼却溶融システムに関するお問い合わせ
問合せ先
水環境事業部 水環境営業部
TEL:03-5931-3714 FAX:03-5931-5706